解き放つ時。
歓迎会から一ヶ月程たった時。昼休憩の時、珍しく馬鹿女が話かけてきた。



でも、やっぱり前とは違うだって…


「シンゴさん、今日の夜暇ですか?」



声が小さい上に、いつもより高くない。
やっぱりあの声と話方は、作ってたんだな…



返事をしないでいると、


「あの、無理ならいいんです。ごめんなさい」



予定がある訳ない。仕事場と寮の往復なんだから。でも、嘘をつく事もできた。だけど、



「…暇だけど」



泣きそうな顔で謝る馬鹿女を見てると嘘はつけなかった。
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