切ねぇよ
「ごめん。」

そこに立っていたのは…

「リュウタ!」

ハナがうれしそうにリュウタに駆け寄った。

「来てくれてよかった、ユキが煙草吸うって聞かなくて…」

ハナは必死でそうリュウタに言ったが、言われなくても分かったらしい。

リュウタが身動き一つせずにユキを見ていた。


「いや、まじで。ソレ煙草?うけるわっ。」

リュウタが困ったように笑った。

「煙草っておまえ退学になりたいの?真剣大学行くんだろ?」

ユキは言った。

「うん、まぁ、ね。でももう我慢できないし。休憩も必要じゃん。」

ユキの切羽詰まった笑顔に、ハナもリュウタも黙ってしまう。

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