―愛束縛―
鈴が涙を流した あの日から 一体何日経ったのだろう
俺は 仕事と鈴の世話を毎日 みんなの手を借りながら やって来た
鈴は あれから固形物を食べれるようになり 挨拶程度なら 話せるようになっていた
「鈴…子猫をもらって来たよ」
少しでも鈴が 癒されるように 会社の人から産まれたばかりの子猫を一匹もらって来た
「かわいい」
鈴は 愛しいそうに子猫を抱いた
久し振りに鈴が見せた 笑顔だった
とても とても 綺麗な笑顔だった
あんまりにも綺麗だったから 抱き締めてしまった
抱き締めた鈴の身体は 少し震えていた
鈴の傷は 想像以上に深かった