―愛束縛―


結婚式の後 アタシ達は新婚旅行には行かなかった



アタシにとっては 新婚旅行よりもビッグイベントが待っていたからだった




「さぁ鈴 行こっか」


アタシ達は式場から服を着替え その足である場所に向う







「着いた」「着いたね」


ふたり声を合わせる



海辺にある小さなログハウス


まだ看板はあげていない


アタシの密かだった夢


雑貨屋をする事


「結婚おめでとう」

いつも変わらない優しい笑顔と優しい口調


「ありがとうございます 高崎さん」


アタシの雑貨屋を手伝ってくれる事になった


彼女を連れて この街に戻って来た


「これからよろしくお願いします」


「いいえ… こちらこそお役に立てるかどうか…」


「大丈夫です 高崎さんなら」


「鈴! まだ行く所があるんだから早く」

「待って!太一 じゃあ高崎さん お願いします!」


「はーい」

手を振り見送ってくれる高崎さん




「予約何時?間に合う?」


「大丈夫だよ…気をつけて行こうね 太一」


「分かってるよ」


手を握ってくれる





「俺達だけじゃないんだから… 安全運転するよ」


「お願いね」



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