―愛束縛―
ブオン ブオン
キー
すごい轟音と共に すごい速さで赤い車はやって来た
太一の家から普通30~40分かかるトコを 20分でやって来た
「ぅるさ」
そう言いながら 車のドアを開ける
「ごめん…」
パジャマ姿の太一
「迎えに来てくれたから許すよ」
「それより寒くない?店の中で待ってくれたら良かったのに…」
「…ちょっと外の風に当たっていたかったから…」
「そっか…」
太一はそれ以上 なにも言わなかった
車が発進する
夜の町は本当に静かで 昼にはちゃんと稼動している信号も点滅信号になっていたり
一つ一つの街頭が集まって線に見えたり
夜風が 肌を引き裂くぐらいとても痛い…だけど気持ち良かった
夜に車で走るのは 何年ぶりだろう
両親が上手くいってた時には 学校の休みの前日の夜によく連れて行ってもらったのに…
頬を流れる雫が 夜風で凍り付く