―愛束縛―


アタシは急いで 一階に降りた



「鈴…どうしたの?」


「太一 あの…アタシの友達がお酒飲んで酔って アタシの家の前にいるの…外雪降ってるのに このままじゃあ死んじゃうよ!」

「だからって… この雪の中じゃあ危ないよ」


「でも!死んじゃうよ!もう誰も死んで欲しくないの!だから だから行かせて!」


「ダメだな…俺
鈴の涙には弱いわ…
俺が行って来るから」

「ダメ!そしたら 今度は太一が事故したら…死んじゃうよ…」

「大丈夫だよ…ゆっくりゆっくり運転するから」


「じゃあアタシも…」


「鈴はダメだ!明日お母さんの通夜があるんだし…風邪でもひいたら大変だ」


「部屋でご飯食べてて…お腹減ったでしょ?ご飯部屋に置いてあるから…少しでも食べて元気出して」


「ありがとう…だけど」


「俺は大丈夫だから…鈴の大事な友達でしょ?鈴の友達は俺の友達だから」


「ホント ありがとう…」



アタシは太一が車で出て行くのを見送り 太一の広い部屋で太一の作ってくれた雑炊を食べた




救急車の音がすると ドキッとした


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