―愛束縛―



次の日 太一はアタシの為に仕事を休んでくれた


「ありがとう…ごめんね」


「最近の鈴は“ありがとう”と“ごめんなさい”が口癖みたいになってる」


「ごめん」



ププッ ふたりで笑いあった




太一の部屋で朝食を取り それから外に出た


外は雪が止んでいて 久し振りの太陽が顔を出していた

太陽の光が雪に反射して キラキラ光って 眩し過ぎるほどキレイだった


「太一 とりあえず学校に行きたいんだ」

「分かった」



ふたりで学校に行き 事務所で退学届をもらった
休み時間という事もあって 女達が集まってきていた
誠二とも目が合ったけど アタシはすぐ目を逸して「お世話になりました」と一言言った



それからアタシの家に向かった


家には父さんと葬儀屋が通夜の準備をしていた

アタシと太一もそれを手伝った




それからは着々と通夜・葬儀が進められた


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