―愛束縛―
何もかもが全て流れ作業のようにして終った
母さんは小さな骨壺に納まり 大好きな人の腕に抱かれて家に帰った
「太一 アタシ行きたい所があるんだ…行ってもいい?」
「いいよ どこ?」
「海なんだ…」
「分かったよ」
アタシ達は海へと向かった
「今日は本当に良い天気だね…」
「疲れた?着くまで寝ててイイよ」
「大丈夫だよ 太一こそ大丈夫?昨日あんまり寝てないでしょ?」
「なんで知ってるの?」
「アタシ夜中に目が覚めたんだ…太一 パソコンで仕事してたでしょ?」
「起こしちゃったんだ…出来るだけ起こさないようにしてた つもりだったけど」
「ううん太一のせいじゃないよ…トイレに目が覚めただけだから…」
アタシは車のシートを少し倒して 眩しいほどの空を見上げた