―愛束縛―


テーブルの上には アタシの時計と太一の懐中時計が 並んでいた


「この懐中時計 鈴に持っててもらいたいんだ」


「え… なんで?」

「鈴がいつか俺の事 たくさんいる彼氏のひとりじゃなくて…鈴の大事な人になった時に渡して欲しんだ」


「太一…」


「だから持っててよ  鈴はこれからどうする?まだここにいる?」


「あのさ アタシ…自分の住む所考えようかと思って… ひとり暮らしするなら父さんが保証人になってくれるって言ってくれてるから アパートを探そうかと思ってるんだ… 勝手ばっかり言ってるの分かってるんだ
だけど太一の家にばっかり居座れないし…」


「そっか…分かったよ 鈴が思ったようにしたらイイ 鈴のひとり暮らしが決まるまでウチにいてイイし…」

「ありがとう…太一 勝手ばっかり言って…」


「俺の大切な鈴の為だからな… じゃあ俺はとりあえず家に帰るよ 何かあったら絶対連絡するんだよ」


「うん…分かった」


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