―愛束縛―
「太一 アタシ先に入るから“いいよ”って言うまで待ってて…」
「なんで?今さら照れなくても 一緒に入ったらイイじゃん」
「だって見られるのって照れるでしょ?だから待ってて!」
「はい 鈴さん」
アタシは太一が後ろを向いている間 急いで服を全部脱ぎ とりあえずお湯を身体にかけて湯船に浸かった
「イイよ!」
「あ~い」
太一は何も言わず浴室に入って来て シャワーの前に座って頭と身体を洗っていた
「あんまり見ると照れるでしょ?!」
少し女の子風にふざけて言う太一
細くくびれた腰
筋肉質な腕
小さなお尻
胸板はそれほど厚くないけど 広い背中
太一の身体って こんな身体だったんだ
アタシは改めて 太一が男だと気付いた
「そんなに見てると穴が開くよ」
前も隠さず湯船に入り アタシの隣りにやって来て 軽くkissをした
太一の甘い吐息が 愛しかった
“愛してる鈴”
太一が言わなくても 伝わって来ていた
母さんの手紙にあった ―大切な物は目に見えない― って 分かる気がした