―愛束縛―
「おはようございます!!
太一さん!鈴さん!朝ですぞ!!」
元気なおばあちゃんの声が まだまだ夢の中のアタシの頭の中で こだまする
「眩しい…」
アタシは目をこすりながら 太一を見る
太一もアタシと同じように目をこすりながらアタシを見る
「おはよう鈴…ごめん 春さんが起こしに来たんだ…」
「誰…?春さんて…」
「もう何十年も昔からここに居て俺達の世話をしてくれてるんだ…」
「今日からは この春がお世話をさせていただきますぞ!鈴さん」
なんと元気なばあちゃんだろう…
「はいはい…太一さんはお仕事に行く準備ですぞ 鈴さんは学校に行く支度」
「でもアタシ 学校は」
「鈴!それはシー」
太一は口の前で人さし指を出し“黙る”の合図を送った
「春さん…俺達着替えるから 外に出てもらえるかな…」
「はいはい!ですが…太一さん まだ結婚もしてないんですから…一緒に着替えるというのは…ねえ?」
「じゃあ 俺が別の部屋に行くよ
鈴…すぐ帰って来るから着替えて待ってて」
「あ…うん 分かった」
アタシは春さんと 広い部屋でふたりきりになった