先輩彼女
しばらく歩いて駅に着いた。
電車通勤なんだ。初めて知った。
そして駅を4つ通り彼女が次の駅で降りた。
そして20分弱ぐらい歩いて、4階建てのお洒落なアパートの中に入って行った。
オートロックは付いていなかった。
彼女にバレないように後を付けて部屋まで付いて行った。彼女は何処へ寄るでもなく。
アパートへ直行したのだ。
用事と言って何もしなかった。
彼女が部屋に入ったのを確認すると、ドアの前まで行き表札を見た。
そこには、彼女のキレイな字で“鳴海”と書いてあった。
用事なんて無かったんだ…。
いやっ……これからどこか出掛けるかもしれない。
俺はマンションの下で彼女が出てくるか見ていた。
そして夜の11時を過ぎたところで彼女の部屋の明かりが消えた。
しばらくしても彼女はアパートから出てくる様子はなかった。
寝たんだ…。
てか、やっぱり俺、避けられてたんだ……
確信が欲しかった。でも今日の行動で分かった。
俺は彼女にとって“どうでも良い存在”なんだと。