先輩彼女




もう時間がないので急いでしたくした。



その分、めちゃくちゃお腹に響いて痛かったけど。



「じゃあ、行こっか」



春樹がそう言って、先に玄関に向かった。



靴を履きながら春樹は突然私にこう言った。



「一緒に暮さない?」




そんなこと言われたの初めてで最初は戸惑った。


すごく嬉しかった。



でも…



「何いってんの、私と同居し始めたら、束縛が激しくなってお互い重くなるだけだよ。」




そんなことしか言えないのか…



正直に気持ちが言えない自分自身に腹が立つ。



『一緒に暮らしたい』って、『ずっと一緒に居たい』って。



なんで素直に言えないんだろう…




言った後に春樹の顔を見たら、横顔がすごくさびしそうだった。


ごめんね…


素直になれなくて…



本当は誰よりも春樹のこと大好きなの…


ずっと一緒に居たいの…



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