先輩彼女



松本君のデスクは私の隣。


だから空いてたんだ。



部長に話聞くまで分からなかった。



新入社員が自分の隣で指導を受けれるようになってんだね…


って、当り前か。



それから私は一日、テキパキと仕事を教えた。



付いてきてるかな…


心配になりながらも、スピードを落とせない私。


早く帰りたい。


きっと、指導係なんて定時には上がれないんだろうけど。



そんな事をぶつぶつ思いながら、仕事をしていた。



松本君は言われたことはしっかりメモを取って、きちんと覚えようとする。



ちゃんとやってくれない子だったらどうしようと思ってたけど


心配なさそうだね。



この子なら、責任とか気にしないで仕事に全うできるね。




でも、最初はすっごい大変だと思うのにきちんと私のペースに付いてきてくれてる。



ありがたい。



この子はきっとエリート街道に行くのかな…



そう思うと誇らしかった。


自分が育てたみたいな感じだから。

なんて厚かましいか。



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