【短編】デカダンス



義姉と初めて肉体的な関係を持ったのは酷い雷雨の夜だった。


場所はリビングで、僕はソファに座りテレビを眺めてた。


始まりは頭上から、顔を引き上げられての濃密な口付け。


不意の事だったが、唇を襲う柔らかな口淫に抗う気は皆無に等しく、僕は甘美な感覚を享受した。


義姉の肉厚な唇は僕を容赦なく蹂躙する。


声はくぐもり、そして舌が滑り込んできた。


互いの舌が口内で絡み合い、等しく水分を奪い合う。


けど、経験が違うのだろうか?


いつしか僕は一方的になぶられ、侵略され、堕ちていた。


「ぷはぁ」


声は義姉のものだった。


僕の口内を犯し尽くして満足したようで僕等の唇と唇がようやく離れた。


僕と義姉の口間に涎の糸が引く。


見上げる義姉の表情は妖艶としていて、恍惚を湛えていた。


義姉は袖で涎を拭い、僕の上に乗る。


女の魔性。そんな言葉と溜まりの早い唾をゴクリと嚥下する。



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