【短編】デカダンス
2
その夜以降、僕等は事ある毎に身体を重ね合わせ、情事に耽った。
既に罪悪感や疚(やま)しさなんかは消え失せている。
それに背徳観なんかもだ。
僕等は単純に欲を満たす為だけに互いの身体を利用しているだけの事。
それはバイオリズムに組み込まれてすらいるだろう。
当初のガキじみた不徳への憧憬なんかは性欲の陰に引きこもっている。
多分、今日も今日とて互いの性欲処理にセックスを興じるのだろう。
だが別にこんな関係がいつまでも続くとは思っていない。
いつかそう遠くもない先、呆気なくそれこそ風化でもするように終わるだろう。
そう、予想していた。
そしてその上でそれが今日明日来るものではない。
なんて高をくくっていた。