ディア ロンリーガール
第一章

出逢い



「あの…」

おかしいよね?


「ん?」

絶対におかしいよね??


「い、家こっちなんですか?」

「…いや違うけど?」

平然といってのけるこの男は一体…

おかしすぎる。

おかしいと思うのにはちゃんと理由があって、学校からの帰り道、同じ高校からこの男はずっと私の後ろを歩いてきてる。
でもそれだけでストーカー呼ばわりするのはちょっと被害妄想しすぎかなって思ったから今聞いて見た。もしかしたら家が同じ方向なのかもと思って。

でも違うらしい。
じゃあなんだ??

「こっちに用事とか?」

笑ったつもりだけどたぶん顔ひきつってる。

「ないよ」

男も笑い返してきた。その笑顔に私の顔が更に引きつった…ような気がする。

じゃあなんでこっちに来るんだ?ってイライラがつのる。

もう単刀直入に聞くことにした。

「じゃなんで私と同じ方来るんですか?」

「…なんとなく?」

プチん…

私の中で何かがキレた。
ダメだ。こういう人とまともに会話しようと思っても。
もう笑顔をつくる顔の筋肉が疲れてきた。

私は思いっきり真顔に戻っていった。

「ついて来ないで下さい」

それだけ言って去ろうと思った。

なのに
「待てよ。悪かった」

男はクスクス笑いながら私の手を…掴みやがった。
そのことに思いっきり気分を害した私は思いっきり不快な顔してやった。

たけど男はそれにまったくの無視で言葉を続ける。

「別に、ストーカーとかじゃなくてな、告るタイミングをはかってたらなかなか掴めなくてさ、結局ここまで来ちゃったっつう…あれだホラ、シャイボーイだ俺は」

はあぁ??

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