妄想哀歌[短編集]
運命の糸だと思ってた
君は馬鹿だって笑ってた。
それでもいいと
馬鹿みたいに必死に
離れないように
赤い毛糸を巻き付けた
小指と小指
あの日 あの時 あの瞬間
見間違えたのかな
赤じゃなくて朱
似ているけど 運命の糸じゃない
紛らわしい
疑似の色、俺と君の仲のように
疑似恋愛
シミュレーション
偽りじゃない 本物、の疑似
その糸も途切れ途切れ、ほつれ 結べぬ
修正不可。
空見上げても答えは見つからない
ただ気付いたのは
雨も降ってないのに瞳が濡れてた事。
悲しくなんかない ただ悔しい 何かが