妄想哀歌[短編集]
「ね、近所今日はカレーかな!」
「なんだろうね、僕 鼻悪いからさ」
たわいない ごく普通の会話
でも時間がもう無いのかも知れない。
「で、なんかあったの?悩み事か隠し事?どっち」
え?
間が空いた なんて言っていいか分からない
一瞬、けど長く感じた
僕は彼女の笑顔を壊したくない
伝えるべきか伝えないべきか
僕は
「この間の長さは隠し事だね、本っ当に分かりやすいんだから」
また彼女クスクスが笑う
「あ、あのさ…」
僕は意を決して言おうとした。
「じつふぁちぉっつねぇって、なぬすうてえうの?」
いきなり両頬を掌でつぶされた
「大丈夫!」
「ふぁい?」