雨上がり後、両想い


晃の声が聞こえた気がして、あたしは振り返って、辺りを見回した。

でも…誰もいなかった。


気のせいか……。
そうだよね、晃が来るはずないよね、今頃あの子と一緒にいるはずなんだから……。


あたしは、前を向き歩き出した。


「…千裕!」


え……?
そんなはず…あるわけ…


「千裕!待てよ!!」


もう一度振り返ると、後ろから晃が走ってきていた。


なんで…?
あの子と一緒じゃなかったの…?

なんで走ってきたの?

あたしに文句でも言いにきたの?

邪魔するなって…?



< 11 / 15 >

この作品をシェア

pagetop