雨上がり後、両想い
静かに降る雨の中、あたしたちはゆっくり歩いていた。
「なぁ千裕、お前どうしたら傘忘れねぇの?分かってんのか?梅雨入りしてからお前、一週間連続で忘れてんだぞ!!」
「あはは…。」
少し強く言ってくる晃にあたしは頭をかきながら笑って誤魔化すことしかできなかった。
「お前まさか…わざと忘れたりしてんじゃねぇだろうな?」
ギクッ…
「や、やだなぁ!んなわけないじゃん!」
「…そうだな。」
そう言うと晃は前を向き黙って歩き続けた。
あ、危なかったたぁぁぁ!!!
バレるところだった…。
わざと傘忘れてるなんて晃に知られたら、晃に絶対嫌われる…。
そんなの絶対ヤだよ。
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