月から堕ちたアリス
「――そしてまた、僕はある少年と出逢った。」



あたしはハッとした。





もしかして…



ドルチェやトリルだけじゃなくて、あのルビーにも何かあったの…??



「彼が塔の前で行き倒れていたところを、トリルが僕のもとへ連れてきた。かなり疲れきった状態の彼を僕は看病した。彼はなかなか目を覚まさず、その間ひどくうなされていたよ。」

『…一体何が…』



リットは言うかどうか少し迷いを見せた。


しかし、はっきりと告げる。































「彼は…


ルビー=ジュエルは………























仲間を全滅させられ、故郷も失った………!!



――ルビーは、半竜族のたった1人の生き残りなんだ…。」





え…………??





仲間が全滅して…



故郷も失った………??





何で…



そんなことって………!!!!



あたしは驚きで声を出すこともできなかった。
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