月から堕ちたアリス
その夜、あたしはトリルの部屋でトリルと話をしていた。


他の本棚の裏にトリル達の部屋の扉も隠されていたのだ。



『トリルの風術、凄い強力だよね!!!!羨ましいな。』

「風を感じることがコツでしゅ。そうすればきっと風は応えてくれるでしゅ!!でも、元々のアリスしゃんなら風の魔法も使えてたと思うでしゅよ。」

『そっかー。早く記憶取り戻したいな…。』



それまでは“凛月”に頑張ってもらわなきゃ…。


あたしは凛月を見つめ、握り締めた。



「あの〜…“凛月”触らせてもらってもいいでしゅか??」

『あ、あぁ…うん。はい。』

「わぁ〜い♪♪♪」



トリルのキラキラした目に身じろぎしつつ、あたしは“凛月”を渡した。



「…これが神具“凛月”…!!むむ〜っ…この色、この質感…極めつけは月をかたどったこの幻想的なオブジェ…!!!!むむむ〜…これら全てが融合された素晴らしさ…正に月の神の芸術の如く――…」



いや〜〜〜!!


何か訳分かんない分析が始まったぁ〜!!!!


これが神具マニアの真の姿か!!!!





とりあえず早く戻ってきて〜!!!!
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