月から堕ちたアリス
「ルビー、最後にもう1つ言っておこう。」

「…何だよ。」

「…君は、決して1人ではないということ。――それだけは忘れるな…!!」



ドルチェとトリルは一歩前に出た。



「ルビー…」

「ルビーしゃん…」

「……………。」



あたしとラビは静かに4人のことを見守っていた。





























「…“仲間”を失った今の俺は1人なんだよ…。俺はもう“仲間”なんて作らねぇ…“仲間”なんて要らねぇんだっ…!!!!――俺は俺の目的のためだけに旅に出る。」



そう言うと、ルビーはくるっと振り向き、歩き出してしまった。



『あっ…!!ちょっ…勝手に出発して…!!』

「…ほっとけばいいんじゃない??」





「アリス、ピョン吉。」



ルビーを追い掛けようとしたあたしは、リットに呼ばれて振り返る。



「あいつもあぁは言ってるけど、本心からじゃないハズだよ。本当は仲間想いの良い子なんだ。仲間が要らないなんてことは絶対に無い…!!――だから…ルビーが自ら君達に心を開くまで待ってあげてほしい。」

『…分かった。』

「リットの頼みなら仕方無いなぁ…。」



あたし達のその返答に、リットは満足そうに柔らかく微笑んだ。
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