月から堕ちたアリス
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『…………ん……』
目を覚ますと白い天井が目に入った。
目だけで周りを見回すと、カーテンで区切られた空間のベッドに自分が寝ていて、ここが保健室だということが分かった。
そういえばあたし…
確か先輩達に突き飛ばされて――
そしたら後ろが階段で背中から落ちて――
全身痛くて気絶して――
…全く、酷い目に遭った…。
ベッドから出てカーテンを開くと、
「あら、有村さん目覚めた??そろそろ起こそうかと思ってたのよ。」
保健室の木下先生がこちらを振り返り、微笑みながらそう言った。
「体は大丈夫??」
『背中がちょっと痛いけど、まぁ何とか…。』
「そう、良かった。幸い頭は打ってなかったみたいね。」
何気無く窓の外を見るともう真っ暗で、夜空には青白い満月が浮かんでいた。
『えっ…?!先生今何時ですか??!!』
「もう6時半過ぎくらいね。しばらく安静にしてた方が良かったから起こさなかったの。」
『…何かすみません。』
「ううん。…それより、」
先生は急に真剣な顔になった。