月から堕ちたアリス
まぁ、でも………
あたしはまたぎゃあぎゃあと言い合いを始めたラビとルビーをちらりと見る。
何だかんだ、ルビーもあたし達の会話に入ってくれて良かった。
この調子で、もっと仲良くなれると良いな。
あたしは2人を見ながらバレないようにクスリと笑った。
しばらく歩いていると、あたし達は森を抜けた。
「案外早く抜けられたね。」
『あたしの勘、結構良い線行ってるのかも?!』
「…おい、あそこ。村があるぞ。」
ルビーが真っ直ぐ先を指差す。
『…え??どこどこ??』
「村なんか無いじゃん。」
「だから、ここ真っ直ぐ行ったところにあるじゃねぇか。」
そうは言われても…
あたしには黒い点しか見えない。
…ん??
…“黒い点”………??
って…
もしかしてあの物凄い遠くにある点、村なの…?!