月から堕ちたアリス



「この村には秘宝があったのですじゃ。その名は“光宝(コウホウ)”。」

「…“光宝”??……神具か。確か、どんな種類の小さな光でも色々な種類の大きな光に変換できるのが特徴だったな。」

「…ほぉ。ルビーさんはお若いのに豊富な知識をお持ちのようですな。さすが旅のお方じゃ。」



村長さんは髭を撫でながら感心していた。



「“光宝”はこの村の命と言っても過言ではない。光の村と呼ばれたラルゴ村は、“光宝”のおかげで毎日光に満ちた豊かな暮らしを送れていたのじゃ。村中の明かりや火力はその“光宝”から供給しておった。」

『そうなんですか。』

「…それで、光の村“だった”、というのはどういうことですか??」

「………うむ。――実は…


























村の命である“光宝”が忽然と消えてしまったのですじゃ…。」

「消えた…??」



何それ…


一体どうして…?!
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