月から堕ちたアリス
「生き物…??もしかして、ポコのこと??」

「ポコ??」

「うん、オイラが付けた名前なんだ。ポコは“光宝”が無くなる前、ラルゴに来た旅人からもらったんだ。」

『生き物をもらったの?!』

「うん。オイラも旅をしてみたいけどそれは叶わないことだってその人に話したんだ。そしたら、旅ができないならここでは見られない他の土地の生き物をオイラにプレゼントしようって言ってくれて…。このことは村のみんなには絶対内緒だって言われた。でも、旅人さんになら別に良いよね!!」



何だか怪しい話だ。


物はプレゼントしても、わざわざ生き物なんてプレゼントするかな…??


何で生き物なんて持っていたのか…


仮にペットだとしても、自分のペットを誰かに簡単にあげられるハズはないだろうし…。


その旅人の真意がいまいちよく分からない。



「ポコはどんな生き物なの??」

「白い小さい狐で、尻尾が7つあるんだ。額には紫色の宝石みたいなものが付いてるよ。」

「それで、ポコは今どこに…??」

「それが…一ヶ月くらい前に突然いなくなっちゃったんだ…。それまではずっと一緒にいたのに。」

「…そっか。」



その話を聞いたラビの表情は険しい。
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