月から堕ちたアリス
――ヒュゥゥゥゥーイッ!!!!――
「「『っ?!』」」
何かの鳴き声が響く。
「……………ポコ……??」
アルトがその鳴き声を聞いて驚愕の表情でそう呟く。
「…決まりだ。」
ラビが走り出す。
『えっ?!ちょっと!!!!』
「おいっ??!!」
あたしとルビーも慌ててラビを追い掛けた。
『ねぇ!!どういうこと?!』
「おそらく、アルトがもらったっていう生き物は“シチビ”だよ。」
「“シチビ”…?!」
「シチビは召喚魔法で呼び出せる高位モンスター。つまり、誰かが召喚しなきゃこの世界に存在するハズが無いんだよ。しかも、高位モンスターを召喚できるってことは相当な力のある魔術師だ。」
『それって、アルトが言ってた旅人がシチビを召喚した魔術師ってこと…??』
「そいつが、召喚したシチビに“光宝”を盗ませて手に入れたって考えるのが自然だろうね。
――この事件…裏では予想以上にでかい奴が糸を引いてるっぽいね。」
そんな大変な事件だったなんて…
……大丈夫かなぁ…??