月から堕ちたアリス
あたし達は声のする方を目指して、たくさんの木々の間を走り抜けた。





そして、そこを抜けると――


















――ヒュゥゥゥゥーイッ!!――














『これがシチビ?!話と全然違うじゃんっ!!!!』



そこにいたのは確かに白い狐。


…だけど問題はその大きさ。


普通に3メートルほどの高さはある。



これのどこが小さいのっ?!



「これがシチビの真の姿なんだよ。きっと、アルトの前では仮の姿だったんだろうね。」

「それより、あいつの尻尾の1つに“光宝”が握られてる!!取り戻すには倒すしかねぇな!!」

「あれは高位モンスターだ。…かなり手強いよ!!アリスは下がってて。」

「ふんっ上等だ!!足引っ張んじゃねぇぞ白兎!!!!」



ルビーは両手に炎を纏う。



「それはこっちの台詞だバカトカゲ!!――“超力”!!」



ラビの両足に装着した“超力”が青い光を放つ。








2人からは力が溢れ出している。



ほんの少しだけど、力の無い今のあたしでも感じられるほどに、強く……。
< 141 / 246 >

この作品をシェア

pagetop