月から堕ちたアリス
「おい白兎!!てめぇいつまで寝てんだっ??!!」





――パキパキパキッ…――





ラビは倒れた木々の中から出てきた。



「…うる、さいな…生憎、俺はお前みたいな化け物じみた身体は持ち合わせてないんだよ…!!」



ケホッと咳をしつつルビーに強気に言い返すラビだが、その様子からは結構なダメージを受けたことが分かる。



あのモンスター、どんだけ凄いパワーな訳?!





「…白兎。」

「何だ、バカトカゲ。」

「俺がどけっていうまであの化け狐を引き付けとけ。」

「は…??」

「――俺に考えがある。」



ルビーの顔は真剣そのもの。


そしてその目からは、普段とは違うものを感じさせられた。



「…仕方無いな。その代わり早くしろよ??」



そう言うと、ラビは再びシチビのもとへ素早く跳躍し、攻防を繰り返していた。
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