月から堕ちたアリス
やっぱり見ていられなくなり、あたしはアルトに駆け寄ろうとしたが、










「…大、丈夫っ…!!最初会ったときも…ポコはオイラの右手によく噛みついてきたよね…??ついこの間なのに何か懐かしいや。」



――ゥゥッ……――





あたしは思わず足を止めた。


何となく、今は行くべきじゃない気がした。





アルトは涙を溢しながら続ける。



「ポコっ…オイラ怒らないからさ…??だから…いつものポコに戻ってよ…!!人を傷付けるポコなんて、オイラ見たくないよ…!!!!」



――ゥゥ………――



「オイラはいつものポコが大好きなんだ――!!!!」






















――次の瞬間、何とシチビの身体はみるみる小さくなっていく。



そしてシチビはアルトに駆け寄り、両腕の中に収まった。



さっきまでの獰猛な姿が嘘のようだ。
< 156 / 246 >

この作品をシェア

pagetop