月から堕ちたアリス
「――楽しそうだね。1つ大事なこと忘れてない??」
「「『っ?!』」」
突然聞こえたその声に振り返ろうとしたあたしは、何故か急に身動きがとれなくなった。
ちょっと…
な、何これ……?!
冷や汗が頬を伝い、身体がカタカタと小刻みに震える。
今のあたしでも分かってしまうほど、とてつもなく強力な気配を感じた。
その気配の凄まじい圧力にあたしは体を動かすことはおろか、言葉を発することさえできない。
あまりの力の強大さに恐怖すら感じた。
「何てっ…力、なんだ…!!嫌でも分かる…!!それに身体が…動かない…!!」
「こいつだ…!!昨日俺が感じた妙な気配…。だが、あのときより格段に強くなってやがる!!!!」
ラビとルビーも声を出すのがやっとという様子。
誰……
一体、誰なの――??!!