月から堕ちたアリス
『あの〜…』

「はい、何ですか??」



闘技場からみんなが出払った後、あたし達は司会の人に声をかけた。


警備員と共に優勝賞品の乗った台を運んでいる。



『優勝賞品のことなんですけど、今またここで見せていただくことってできませんか??』

「いやー大切な優勝賞品なので、管理上それはちょっと無理かと…」

「そこを何とか!!」

「ちょっと見るだけだ!!」

「そう言われましても…」

『元々あたしのものなんだし!!いいでしょ?!』

「は……はいっ??」



やっぱり無理…??



あたし達が粘り強く交渉しているその時、



『わわっ…?!』



突然凛月が青い光を放つ。


そしてその光はまるであたし達に指し示すかのように、一直線に台の布の中身に向かっている。



『これは……』

「月の神が俺達を導いている…??どうやら本当みたいだね。」

「ふんっ、おもしれぇ…!!」





武闘大会の優勝賞品は、今正にあたし達が探し求めているあたしの記憶。


これってつまり――



1つ目にしていきなり大ピンチ…??
< 191 / 246 >

この作品をシェア

pagetop