月から堕ちたアリス
『はぁ………。』
あたしは深く溜め息をつく。
あの後、不思議そうな顔をする司会の人に、もう大丈夫ですと言って闘技場を去ったあたし達。
食料などの買い物を済ませてから、再びさっきのお店に戻ってきた。
「何溜め息なんかついてんだよ?!」
「つきたくもなるよ!!!!」
あぁ〜折角1つ目の記憶を見付けたっていうのに…
何でよりによって優勝賞品なんかになっちゃってる訳?!
そんなにあたしの記憶は価値があるか?!
プライスレスか??!!
…いや、まぁプライスレスだけれども!!
「記憶を取り戻すには武闘大会で優勝するしかないってことか…。」
『そんなんどう考えても無茶ぶりでしょ…??』
「ふんっ、どうせ出場するなら優勝すんのは当たり前だろ??何の問題もねぇ!!」
『大ありだっ!!!!』
まさか出場しなきゃいけない状況に追い込まれるなんて…!!
考えもしなかったよ。