月から堕ちたアリス
『あの………??』

「…何を勘違いしている。私が貴様を助けたとでも思ったのか。」

『は………??』

「これは私に与えられた仕事……部外者に手出しはさせない。」

『仕事、って――っ?!』



その人物は持っている刀をゆっくりと上げ、その切っ先をピタリとあたしの方へ向けた。



「我が名はスピネル=クォーツ。ハートの女王様にお仕えしている。」



ハートの女王に…?!



「女王様直々の命により、アリス=ミスティック……














――この私が貴様を抹殺する。」



刀身がキラリと光る。



ハートの女王があたしの命を狙っている…??



さっきのクロッカス3兄弟とは訳が違う。



このままじゃ今度こそ本当に命が危ない!!



『ま、待って!!』

「命乞いをしたところで助けなどしない。」

『話をさせて!!』

「貴様の話を聞く義理も無い。」

『ちょっと――』

「…問答無用。」



そう言ったスピネルの目が冷たさを帯びる。





――ゾクッ――





背筋が一気に凍る。



…これは…ヤバい。
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