月から堕ちたアリス
正に一触即発という空気に、その場にいた人々はみんな息を飲んで成り行きを見守っていた。



そしてルビーとスピネルは同時に間合いを詰める。



「うらあああぁっ!!!!」

「はぁっ!!!!」



2人の放った炎と風が激しくぶつかり合い、やがて相殺して消えた。



――力は互角。





「あの“独眼のスピネル”と対等に渡り合うなんて…」

「あの赤毛の坊主、一体何者なんだ…?!」



周りがまたざわざわと騒ぎ始めた。





…でも、このまま闘ってて大丈夫なのかな??





そして2人がまた動き始めた、











――その瞬間…




















「はーい、そこまで。」



「「!!」」



2人の間に突如誰かが現れた。



ツンツンと立った金髪頭の若い男性。



「全くせっかちだね〜試合は明日からだってば。俺達に余計な仕事を増やすんじゃありません!!」

「………誰だお前??」



ルビーが不機嫌そうに尋ねる。



「俺は大会運営者の1人、フラットだ。これ以上闘うんなら両チームとも出場停止処分にするけどどうする??」

「………ちっ。」



ルビーはクルッと踵を返してあたし達の方へ歩いてきた。
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