月から堕ちたアリス
『な、何これ……』

「ええ〜?!知らないの?!酒場Melody♪で働くこのアンダンテのアイドルだぞ!!」

『し、知らないし…あたしここ出身じゃないもん。』



「金髪お色気美女のアリア、清楚眼鏡美女のトオン、元気妹系美女のヘオン。3人合わせて“Melody♪”っていうアイドルグループなんだ。今はメジャーデビューを目指して酒場で働きながら頑張ってるんだ!!いや〜かわいいよね〜応援しちゃうよ〜…。」

「うん、確かにかわいいねー。」

『………へぇ〜…』



熱く力説するフラットと彼女達に興味津々なラビに若干…いや、かなり引きつつ、会場に目をやる。


さっきまでの緊迫感はどこへやら、闘技場内は一瞬でアイドルのコンサートのようになってしまっている。



「何であんな奴等が出場してんだよ。思いっきり場違いじゃねぇか!!」



ルビーがまともな疑問を口にする。



「何言ってんだよ。これは武闘大会なんだ。ただのアイドルが参加するわけないだろ??」

「どういう意味だ??」

「まぁ見てればわかるさ。」



ただのアイドルじゃない…??



――いや、まさかね。



あんな人達が闘う姿とか想像できないし。
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