月から堕ちたアリス
「決勝はスピネルのチームだからな。確かに今までみたいにアリスちゃんをかばいながら3対2ってのは無理があると思うよ。」



やっぱり…あたしが足を引っ張っちゃってるから…!!

どうすればいいの…??



「どう戦うか、ねぇ…。簡単なことだ。」

「「『え??』」」

「3対3でやればいい。」



フラットはさらりとそう言って退けた。



「…あのなぁ…」

『最初に話したけど、あたしには今何の力もない…戦うなんて無理だよ!!』



…そう、無理なんだ。


そもそもあたしが戦えるなら最初からこんなに苦労していない。



「――力がないから戦えない、か。…それは違うな。」

『え…??』

「厳しいことを言うようだけど、今の君は戦う前から諦めちゃっているだけなんだよ、アリスちゃん。」

『何それ…!!だって仕方ないでしょ?!』



フラットの言葉にカチンときたあたしはそう言い返す。



「じゃあ何で戦えない、無理だと決めつけてるんだ??」

『だから、あたしは今記憶ごと力を抜かれていて魔法を使うことができない!!魔法の使えないあたしなんて戦力にならないよ…。』

「その考えが間違ってるって言ってるんだ。」

「どういうことだ?!」

「何か方法があるってこと…??」



フラットはコクリと頷いた。
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