月から堕ちたアリス
それからというものの、兄弟は私に“アリス”との思い出を語り出した。


そんなこと話されてもあたしは思い出せる訳無い。


だってあたしは2人が思ってる“アリス”じゃないんだから。



完全にあたし間違えられてるってば。



『…ねぇ、パーティーはそろそろお開きに…』

「何を言うんだアリス??久々の再会じゃないか!!積もる話もあることだし、今日は語り明かそう。」

「それでそのまま明日のお茶会に突入すれば問題無いよー!!」

「うんうん、その通りだ。」

『何言ってんの!!!!積もる話なんて無いし問題大有りだよ!!!!』

「今のアリスは叫ぶのがマイブームなのかい??」

「じゃあ僕もっ!!出戻りおめでと〜!!!!」



…誰か助けて…


早くこのいかれたお茶会から解放されたい…!!!!





































「随分楽しそうだね。」





























――この声はっ!!!!





あたしは声のした方を勢いよく振り返った。







そこにいたのはあたしをこんな状況に引きずり込ませた張本人――































「どう??アリス。この世界は。」

『――白兎っ!!!!』



神社で会ったあの少年だった。
< 23 / 246 >

この作品をシェア

pagetop