月から堕ちたアリス
「それにしても…あなたこの大会中1度も戦ってないそうじゃありませんか。やっとやる気になりましたの??」

『もう守られてるだけって訳にはいかないからね。』

「ふふっ、その向上心だけは認めて差し上げますわ。…けれど、魔法の使えないあなたに何ができるのかしら??アリス=ミスティック。」

『見くびらないでよね!!』

「さっさと終わらせてあげますわ。ウッド・マジック!!“蔓の舞”!!」



ローズが両手を前にかざすと、地面から無数の蔓が出てきた。



「さぁ舞いなさい、蔓達よ!!」

『わぁっ!!』





――ピシッ!!ピシッ!!――





あたしは右へ左へ飛び込んで蔓を間一髪で避けた。



「これならどうです!!!!」

『ほっ!!…はっ!!…えいっ!!』





――ピシッピシッピシッピシッ!!――





「おおぉっ!!!!今まで1度も戦っていなかったアリスが遂に始動!!しかも何という身のこなしだぁ!!!!」



スラーの実況が入る。



「くっ…ちょこまかと…!!さっさと当たりなさいな!!」

『嫌に決まってるでしょ!!こう見えてあたしドッジボールで避けるの得意だったんだからね!!』



…とは言え、疲れてきた。

このまま避け続けてる訳にもいかない。
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