月から堕ちたアリス
「が…はっ…!!!!」



ラビを追っていた2発の“チェイスショット”がガーベラの腹を貫いていた。



「…っ!!」





それでも止まらない“チェイスショット”がラビに向かってくる。


「(交わしきれない…!!)」



ラビはギュッと目をつぶった。




















――しかし銃弾はラビの身体に当たる直前、突然消えた。





「間一髪………だったな…。」



自分の数歩先に倒れているガーベラの姿があった。



「…魔法は術者が倒されれば消える。お前が銃弾が魔法だって言わなきゃこんな作戦思い付きもしなかったよ。俺の名前はラビ。…その頭によ〜く刻み込んでおくんだぜ??」



既に気を失ったガーベラにラビはそんな言葉を投げ掛けた。





「ラビ対ガーベラ、勝者はラビだぁ!!!!何て頭脳的な作戦でしょう?!まずは“チーム・THE・ルビー”が一歩リードです!!!!」



――ワアァァーッ!!!!――



会場が一気に盛り上がる。



「――にしても…さすがに力の消耗に加えて血を流しすぎたかな。フラフラするし目が霞んできた…。アリスを助けなきゃいけない、のに…!!」



ラビは地面に膝をつく。



「(アリス…俺が回復するまで、もう少しがんばってくれ…!!)」



ラビは揺らぐ意識の中でそう強く願った。
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