月から堕ちたアリス
「それで少女が飛ばされた世界が、あんたがさっきまでいたあの世界って訳。」
『それで……あたしがその飛ばされた少女で、あんたがそれを目撃してた……??』
「そういうこと。」
…いやいや、無理だから。
そんなこと急に言われたって…!!
あたしはこんな変な世界の住人でもなければ、『アリス』でもない。
あたしは有村 優。
確かに自分の人生が嫌にはなったけど…
『あたしは…有村 優なんだよ…??』
「それは、女王があんたをあっちの世界の住人にさせるために架空に作った人物設定。」
あたしの必死の反論を無情にも砕いていくラビ。
『でも、あたしには家族も友達も彼氏もいたんだよ??それは事実でしょ?!』
「でもさ、あんた気付いてたじゃん。」
『何、を…??』
「何って、違和感を。そりゃ違和感ある訳だよ。女王があんた用に無理矢理いじって『有村 優』っていう人物枠をあっちの世界に入れたんだもん。家族も友達も彼氏も、何もかもしっくりするような居場所じゃ無かったでしょ??」
『それは………』
「奥底に僅かに残ってた本当の自分があの環境に違和感を感じて、無意識に拒んだ。それはあんたがあの世界の『有村 優』じゃなくてワンダーランドの『アリス』だっていう証拠だ。」
『……………。』
否定、できなかった。
全てのことが的を射ていて、そして筋も通っていて…
認めたくない。
認めたくはない。
けど――…
こんなのもう、認めざるを得ないじゃん。
自分が『アリス』だってことを…。
『それで……あたしがその飛ばされた少女で、あんたがそれを目撃してた……??』
「そういうこと。」
…いやいや、無理だから。
そんなこと急に言われたって…!!
あたしはこんな変な世界の住人でもなければ、『アリス』でもない。
あたしは有村 優。
確かに自分の人生が嫌にはなったけど…
『あたしは…有村 優なんだよ…??』
「それは、女王があんたをあっちの世界の住人にさせるために架空に作った人物設定。」
あたしの必死の反論を無情にも砕いていくラビ。
『でも、あたしには家族も友達も彼氏もいたんだよ??それは事実でしょ?!』
「でもさ、あんた気付いてたじゃん。」
『何、を…??』
「何って、違和感を。そりゃ違和感ある訳だよ。女王があんた用に無理矢理いじって『有村 優』っていう人物枠をあっちの世界に入れたんだもん。家族も友達も彼氏も、何もかもしっくりするような居場所じゃ無かったでしょ??」
『それは………』
「奥底に僅かに残ってた本当の自分があの環境に違和感を感じて、無意識に拒んだ。それはあんたがあの世界の『有村 優』じゃなくてワンダーランドの『アリス』だっていう証拠だ。」
『……………。』
否定、できなかった。
全てのことが的を射ていて、そして筋も通っていて…
認めたくない。
認めたくはない。
けど――…
こんなのもう、認めざるを得ないじゃん。
自分が『アリス』だってことを…。