月から堕ちたアリス
『じゃああたしはそろそろ寝るよ。』

「いや、俺も寝るけどね。」



あたしは家の中に入り、先程ラビが敷いた布団の中へ潜り込んだ。



『おやすみ。』

「…………。」



あたしは目を閉じた。




























『…………ねぇ。』

「んー??」

『んー??じゃなくて!!!!何一緒に布団に入ろうとしてんの??!!』



ラビは迷うこと無く布団に入ってこようとしていた。



「だって今使えるのこの買ってきた布団しか無いんだもん。」

『何で1つしか買わなかったの?!』

「だってもう明日にはここ出るから勿体無いじゃん。だからとりあえず1つ。」

『何それっ?!何で男のあんたと女のあたしが一緒の布団使わなきゃなんないの!!!!』

「昔はよく一緒に寝てたじゃん!!」

『いつの話だ!!!!そもそもあたし覚えてないから!!!!とにかく入ってこないで。』



あたしは入りかけのラビを布団から押し出し、背を向ける。



「ちょっ…ひどくない?!」

『…………。』



聞こえないふり聞こえないふり。





そしてあたしはしばらくすると眠りについた。



























「…何か、会わないうちに益々Sキャラになってるし…。」



ラビのその言葉はあたしにはもう聞こえていなかった。
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