月から堕ちたアリス
あたしは目を覚ました。
今日は珍しく夢のことを何も覚えてない。
『ん…??』
自分の寝てる横にラビがいる。
あの後結局布団に入ってきたのか…。
寝起きと言うこともあって怒る気すら起きないあたしは、ラビの寝顔をじっと観察した。
こう見ると本当美少年だなぁ…
うわっ…睫毛長ー…
そしてあたしの視線はラビの頭にある兎の耳に移る。
…これマジで本物なのかな??
一気に好奇心が出てきたあたしはそれを両手で軽く掴んだ。
触ってみたらやはりそれは紛れもなく兎の耳だった。
『すごっ…!!これやっぱ本物なんだ。』
しばらく触っていると――
「…ふっ、あはははははっ!!!!ちょっ止めて!!」
『わっ?!』
突然ラビが笑い出した。
あたしはビックリして耳から手を離す。
「はぁ…あぁー…くすぐったかったぁ〜…。何するかと思ったらいきなり耳触ってくるから、耐えきれなくなっちゃったじゃん。」
『…えっ…いつから起きてた訳?!』
「えーっと…優が俺の顔をじっと見つめてたところぐらい??キスされるかと思って期待してたのになぁ〜。」
『いや、有り得ないから。』
…それほとんど同じタイミングで起きてたってこと??
ってかラビを見てたのバレてたのか!!
何か恥ずかしっ!!!!