月から堕ちたアリス
――…ガタンッ!!――
テヌートさんは突如椅子から立ち上がった。
「…ちょっと付いてきなさい。」
そう言ってテヌートさんは奥の部屋に入っていった。
ラビとあたしは顔を見合わせる。
「とりあえず行こう。」
ラビに促されたあたしはテヌートさんの後を付いていった。
「アリス、まずこれに着替えて。」
手渡されたのは水色の長袖ワンピース、白いローブ、黒のショートブーツ。
「着替えが済んだらさっきの部屋に戻ってきて。」
テヌートさんはそう言うとラビを連れて部屋から出ていった。
『…何だろう。何だかこの服、不思議な感じがする。』
制服を着ていたあたしは、とりあえず受け取った服に着替えることにした。
全て着替え終わると、全身に不思議な力が広がるような感覚があった。
そして同時に、
『懐かしくて…暖かい。』
――そんな気がした。