月から堕ちたアリス
「…新入生??」
あたしは首を縦に振る。
「もう式始まるよ??」
『………あっ!!!!』
その言葉に一気に現実に引き戻された。
しかし慌てすぎてもうどうして良いか分からなかった。
「ははっ、慌てすぎだし。体育館はこっちまっすぐ行けばあるよ。」
『あ、ありがとうございます!!』
あたしが走り出そうとした瞬間、
「塚本 歩。」
『??』
「君は??」
『…有村 優、です。』
「またね、優ちゃん。」
歩は去っていった。
あたしはその場から動けないまま。
結局入学式は出れずに終わった。
その後、高校生活を過ごすうちに知った歩のこと。
実は歩も新入生だったのだ。
つまり入学式はあたしみたいに遅刻じゃなくて、堂々サボりだったらしい。
歩は学校内ですぐ有名になり、あたしの元にも友達から歩の話が入ってきた。
「塚本くんってカッコいいけど、かなりの遊び人なんだってー。」
「彼女が何人もいるらしいよ。」
「A組の佐藤さん、塚本くんに携番聞かれたんだってさ。」
歩に関する悪い噂は結構たくさんあった。
それでもあたしは歩のことが忘れられなかった。
どんな噂があっても…
あの入学式の日に見た歩の後ろ姿が、笑顔が、言葉が忘れられなかった。
あたしは首を縦に振る。
「もう式始まるよ??」
『………あっ!!!!』
その言葉に一気に現実に引き戻された。
しかし慌てすぎてもうどうして良いか分からなかった。
「ははっ、慌てすぎだし。体育館はこっちまっすぐ行けばあるよ。」
『あ、ありがとうございます!!』
あたしが走り出そうとした瞬間、
「塚本 歩。」
『??』
「君は??」
『…有村 優、です。』
「またね、優ちゃん。」
歩は去っていった。
あたしはその場から動けないまま。
結局入学式は出れずに終わった。
その後、高校生活を過ごすうちに知った歩のこと。
実は歩も新入生だったのだ。
つまり入学式はあたしみたいに遅刻じゃなくて、堂々サボりだったらしい。
歩は学校内ですぐ有名になり、あたしの元にも友達から歩の話が入ってきた。
「塚本くんってカッコいいけど、かなりの遊び人なんだってー。」
「彼女が何人もいるらしいよ。」
「A組の佐藤さん、塚本くんに携番聞かれたんだってさ。」
歩に関する悪い噂は結構たくさんあった。
それでもあたしは歩のことが忘れられなかった。
どんな噂があっても…
あの入学式の日に見た歩の後ろ姿が、笑顔が、言葉が忘れられなかった。