月から堕ちたアリス
『…って笑ってる場合じゃなーい!!塔なのに階段が無いってどういうことなの?!』

「上に行けないってことだね。」

『冷静に分析してる場合かっ!!!!』



何なのもう〜…


これじゃぁリタルダンドに会うどころか2階にすら行けないよ。



「まさかこんな序盤で使うことになるとはなぁー。」

『は…??』



ラビはしゃがんで両足首にシルバーリングをはめている。

そのリングには“凛月”と同じ青い石が埋め込まれていた。



『それってもしかして…!!』

「“超力”(チョウリキ)!!」



その言葉が発せられた瞬間に、ラビの身に付けたリングから眩い青い光が広がった。



『それも神具っ?!』



ラビは床を一蹴りすると、常人なら有り得ないほど高く跳躍した。



『えっ?!ちょっ…天井にぶつかる…!!ラビ!!!!』

「……はぁっ!!!!」





――ドッゴオォーン!!――





『…不条理と…非現実…。』



開いた口が塞がらないあたし。



――何とラビは足で天井を突き破ったのだ。





…そんなん有りですか??
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