月から堕ちたアリス
――スタンッ――
ラビが上から降りてきて着地した。
「よしっ2階への道は確保!!2階はここみたいにただっ広い空間じゃないみたいだったよ。」
『っていうか、あんたが神具持ってるなんて一言も聞いてなかったんだけど…??』
「うん。だって言ってないもん。」
『………はぁ。』
「これは神具“超力”。力の神の加護を受けたと言われるシルバーリングだ。使う人の持つ物理的な力を極限まで引き出してくれる。だからあの通りさ。」
ラビは天井に開けた穴を見るように促す。
神具の力ってこんなに凄いんだ…
あたしにも力が戻れば、“凛月”を使いこなせるようになるのかな??
「それじゃあ行くよ。」
ラビはあたしの片手を握った。
「しっかり掴まってて。」
『えっ…まさか――』
あたしがまだ言いかけてるときにラビは再び跳躍した。
凄いスピードでどんどん地面から上へと遠ざかる。
『きゃあああぁぁ〜っ!!』
こんな高さから落ちたら間違いなく死ぬ!!
あたしは片手の繋がりだけじゃ一気に不安にり、無意識にラビにしがみつく。
そしてそのあまりの高さに、怖くてギュッと目を瞑っていた。