月から堕ちたアリス
道、惑う。
――ぎゅうぅぅー…――
「…優ー。」
『………。』
「…ねぇ、着いたよ??」
『………。』
「俺も抱き締めちゃうよー??いいの??」
『………。』
あたしはラビに真正面からしがみついたまま意識が飛ぶ寸前。
ラビはそんな反応の無いあたしを遠慮がちに抱き締めかけた。
『…――はっ!!!!』
――ドォーーンッ!!!!――
――その瞬間、意識が覚醒したあたしはラビを思い切り突き飛ばした。
「うあっ?!…いってぇ!!!!何すんだよ?!」
『あんたがいきなりあたしを抱き締めようとしたからでしょうが!!』
「そっちが先に抱き着いてきたんじゃん!!それに応えようとして何が悪いんだよ?!」
『あれは不可抗力でっ…!!どうせそれを良いことに変なこと考えてたんじゃないの?!』
あたしとラビはしばらく、これについてぎゃあぎゃあと言い合いを続けていた。